このリールは私がこの釣りを始めて間もなく噂を耳にしたリールである。その当時に出たのか、それ以前から既にあったのかは正直分っていない。確かこのリールは足繁く通ったショップのマスターが絶賛していて、「なかなか割り当てが回ってこない」と愚痴っていたので当時入手困難であったと記憶する。そして、必ずこのリールの話が出ると『ディスクドラグ』と言う文言が付帯されていた。 
             しかし、私自身は内心・・「あほくさ!なんで単なる【糸巻き】にわざわざディスクが要んねん!」と、全く眼中にない存在だった。 
             このリールを購入したのは後に出るCMR34を手にした時、DT#4ラインが巻けなくて已む無く購入したのが実情である。従って、CMRを使用しなければ生涯このリールに手を出すことはなかったかもしれない。 
             その時は巻き方向を変更するのにわざわざディスクドラグのメカ部をバラして部品を全てひっくり返さなければならない面倒なリールに驚かされたが、今から考えれば四半世紀以上前にこのリールが存在していた事に驚きを隠せず、発売当時は他のリールと一線を画した存在で入手困難となっていた事も肯けるリールと思われる。 
             そしてカンタータ同様、今尚現役で販売されている事も驚きの事実であろう。 
              確かにあちこちで格安セールを散見する状況で[古いリール]であることは否めないが、機能的には全く申し分ないと思われる。 
             マリエットさんのリールを見ると、このMRが元祖で・・後に出たCMRはドラグが密閉カセット式にはなったものの、水抜穴も荒くMRの廉価版の様に受け取れるが、実際は上手く住み分けがなされている様な気がする。 
             ラインキャパシティーから見て、CMR34はDT#3は大丈夫だが#4となればWF#4で留めるのが安全でDT#4は無理がある。 
             ところが、その上のCMR56はDT#6までカバーし、DT#5なら余裕たっぷりのキャパである。 
             ・・・となると、DT#4を巻くにはCMRは非常に不満が残るリールと言える。 
             この穴を埋めるのが以前から発売されていたMR7で、このシリーズ最少ながらDT#3にはやや大きくDT#4がピッタリ・・・これも四半世紀前のフライフィッシング事情を反映した結果かもしれないが、MRとCMRを上手く住み分けさせている大きな要因かもしれない。 |