「これ国産でっせぇ~・・滅茶苦茶軽ぅおまっせぇ~」・・と#3のラージ・アーバーを模索する私に店主が勧める。 
             「・・あれ?・・音せぇ~へんやん!」・・と、驚く私に店主が説明を始めた。 
             このリール・・ディスクドラグでもクリックでもなく、Oリングを使用した個性的な作りである。 
             従って、全く音をたてないサイレントタイプで、巻方向も決まっていない。 
             つまり、スプールをシャフトにハメ込んだらネジで適当にOリングを締め上げて、その膨らみでスプールを固定しながらテンションを得ると言う何とも単純明快な作りである。 
             しかもこの大径で100gを切る超軽量であったことから、国内メーカー好みの私としては買わずにはいられない状況となり、購入に踏み切った。 
             ところが、#3には少々大き過ぎた。確かに軽量でありロッドに装着したバランスは十二分に満足できるものであったが、メーカーさんの推奨キャパはWF#4でバッキングを薄く巻けばDT#4やWF#5までもカバーできてこちらの方がしっくり行く様な気がして、#3は早々に諦めて#4ラインのラージ・アーバーとなった。 
             しかし、どうも馴染めない・・・原因はこのリールの個性とも言えるサイレントにある。渓でストーキングしながらラインを引き出す場合、ジィ~・・とかケリケリケリ・・とかラインを引き出す音がしないと、どうも拍子抜けしてしっくり行かない。 
              「気分の問題!」・・とか、「実釣に影響なし!」・・と暗示を掛けるも、どぉ~も馴染めず敬遠がちになる。 
             このリールを用いて「渓流ではフライリールのクリック音が気分を高揚させる」と言う事実を学んだと言えよう・・・・ 
             こうなると、全く出番をなくして転売候補となるかもしれないが、夏の早朝・・リザーバーのバスフィッシングでは静寂に響き渡るクリック音が邪魔になる時がある。 
             しかもポッピングをやる際はバランス的にロッドティップが自然に下がる軽めのリールが望ましい。 
             そこでこのリールに注目して、今ではバスフィッシングを前提としてWF#5(短めのマスタリー/ヘッドスタート)を巻いて見たところ、しっくり行って気に入ってしまった。 
             またこの状態で本流のフラッタリングに用いると非常に軽くて重宝できる事に気が付いた。 
             結局はWF#5のラージ・アーバーとして活路を見出しそうである。 
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