   釣りのテンポとしてはAndante(アンダンテ)・・と言う感じではあるが、それ以前に足を踏み出しやすい歩調の2拍子や4拍子ではなく、目的意識がヒンまがった3拍子の様な気もする。 
 つまりは【釣る!】と言う研ぎ澄すました気負いもなく、半ば釣果を放棄した様な【のんびり気分】で用いている事が多い。 
 ここまで示した『1.渓流ドライフライ専用ロッド』群において、1-1~1-2までは殺気漂う前傾姿勢の釣りかもしれない。加えて1-3群も・・殺気こそ和らいでは居るものの、やはり前述の延長線上にある前傾姿勢の釣りである。 
 しかしこれに対して、ここに示すロッド達は釣りのリズムこそカテゴリ1-3群と変わらないものの、前傾姿勢とは言い難く、出腹で背筋がそっくりかえった様な姿勢でのんびり釣り上がる『のほほん』とした釣りである。尽き詰めればカーボンロッドとグラスロッドの調子の差なのかもしれない。 
 実際、本気で釣る事だけを考えれば、私にとって『無用の長物』ならぬ『無用の軟竿』であるのがグラス素材のロッドであろう・・・ 
 しかし、不思議なもので加齢と共に段々と気になって惹かれる様になりつつある。 
 結ぶフライも一応はドライフライだが、小細工するぐらいならあっさりとソフトハックルのウェットを結ぶのもよかろう・・ 
 今現在の主流は1-3群で、あくまでもカーボンロッド愛好者であるが・・・もしかして還暦が見え隠れする頃になると、これらのロッドがメインになっているかもしれない。 
 そうなると釣果はその場任せで【振りと曲げ】や【釣り場の風情】等・・・【趣】を楽しむ釣りがこの先に待ち構えている様な気もする。 
                   こんなこと、一昔前では想像すらできなかったが・・・・これもフライフィッシングなんだろう(笑)。 
                   但し、巷で多くお見受けする・・・「トルクフル・・」、「よく曲がる・・」、「バンブーテイスト・・」、「胴ブレなくバレにくい・・」、「張りを抑えた柔らかさ・・」等々のグラス素材の持ち味を前面に打ち出した形容で紹介されているロッドは正直【趣】以前の問題で、私にとっては論外である。 
                   基本はカーボン愛好者なので・・「シャキッとした・・」とか「シャープなアクション・・」と言うグラス素材独特の鈍重さを払拭する形容で紹介されているロッドが好み・・・と言うか釣りに使用できるロッドだと思っていて、この辺りは暫くは変わりそうにない・・・と、思う(笑)。 
                   
                    Fly Magician 753 (7'6"#4-5) 『KIRAKU』 
                    Old Beech Quiet Loop VF703 (7'0"#3) 『Angler's Republic』 
                    Old Beech Quiet Loop VF663 (6'6"#3) 『Angler's Republic』 
                    Swell SGF-6331 (6'3"#3) 『Coatac』 
                    Halcyone 5923 (5'9"#2/3) 『KIRAKU』 |