釣行記にブルー・ダンと記しているこの毛鉤・・写真を見られたら虚偽であると言われても反論するつもりはなく、全くその通りであるとしか申し上げ様がない。 
 従って、改めて示すとBlue Dun ではなく、Pale Blue Floss Dun(淡青フロスのダン)とでも記すのが正解かもしれない。 
 実際、ブルー・ダンはこの名のコックハックルやヘンハックルでテールとハックルを施し、ウイングはダックかスターリングのナチュラル・・そしてボディーはファーのダビングが一般的であろうと察する。 
 確かにボディーのマテリアルが色々異なったバリエーションもお見受けし、どれが本家なのかは未だに理解できていない事実もあるが・・・ 
             私も最初はファーボディーのブルー・ダンを使用していた。 
             一方でプロフェッサーのバリエーションであるブルー・プロフェッサーも愛用していた。 
             この二つは私の中では非常に気分的に似通った毛鉤であるが、プロフェッサーのウイングとブルーダンのボディーが今一つしっくり行っていなかった。 
 ある時、店頭でペールブルーのフロスを発見し・・・ 
 「こいつでブルー・ダンのボディーを拵えたらブルー・プロフェッサーよりもしっくり行くんとちゃうか?」 
 ・・・と言う思いが湧き、採用に踏み切った。 
 すると予想通り、釣り場では本家ブルー・ダンやブルー・プロフェッサーを差し置いて圧倒的に手が伸びる毛鉤となった。 
 一度定型破りのドレッシングに突入すると更なる試行が進む・・今度はテールを変えてみたくなり、ダンケルドのクレストやリリー・メイのバード、他にマラードやティールなど色々試したところ、一番しっくり行ったのは、シルバー・マーチブラウンに採用されていたパートリッジだった。 
 この様にして出来上がったのがこの毛鉤である。 
 この様な試行錯誤の段階でもこの毛鉤の名はブルー・ダンとして扱ってきた。しかし、ここに載せるとなれば若干不味い様な気もしてペールブルーのフロスで拵えたので、ペール・ブルー・ダンにしようとも考えたが、この様に呼ぶとペール・モーニング(イブニング)・ダンの親戚で世に存在しそうである。こうなると尚更混乱をきたす可能性も否めない。 
 結局、已む無くここでグタグタと経緯を書き記すハメになってしまった。 
 この先、これと同じ毛鉤がどこかのサイトやパターンブックで見つかれば、迷わずその名で記すことにするが、あわよくばブルー・ダンのバリエーションとして存在していてほしい気もする。 
 それまでは一応「ブルー・ダン」として置くことをお許し頂きたい。これがダメなら・・「bacoon's Favorite」と言うことになろう。 
             実釣では解禁当初に真っ先に候補に挙がるリードフライである。特に佐々里の解禁直後の増水時は欠くことができないと考えている。 
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