
ある日、娘が仲間内と行った旅行写真をのぞき込んだ時、随所に気を惹くバッグが映り込んでいた。Patagoniaのロゴが見え隠れするそのバッグは非常に扱い易そうで、私も若ければきっと買って使っていただろうと思わせる代物であった。
娘曰く、「ウチ好きちゃぅけど、結構流行ってんで!」
何となくネットで調べてみるとアトムと言うスリングバックである・・・
「まぁ、若い時分やったらエエけど、今この歳でこれは無ぃわな・・(笑)」
その時はそんな感じでサラリと流してしまったが、このバックの名前だけは頭の片隅に残っていた。
今年に入ってそろそろ梅雨入りを迎える頃に別項に示すウィリアムジョセフさんのミニチェストの買い替えが脳裏を過った。・・・候補は当然以前から気になっていた同社のアクセスである。
一応、念の為に他社製の同類品をチェックして回りパタゴニアさんのサイトでStealth Chest Slingをチェックする。
「なかなかエエ線行っとるけど、やっぱりワシはウィリアムジョセフのアクセスやなぁ・・」
分かり切った様に納得してページを閉じ様とした瞬間、画面の隅にあるStealth Atom Slingと言うバッグに目が留った。
「これ?・・アトムって・・あのバッグちゃぅん?」
その通りコイツは上述した売れ筋のスリングバックを釣り専用にアレンジした物だった。
それからポチポチとネットサーフィンを続ける間に物欲急上昇から沸点到達の悪い癖・・・売り切れ続出のネットショップをハシゴしてどうにか在庫1個のお店で購入に踏み切ってしまった。
このスリングバック・・・未だ3回程しか使用していないが、初回使用時から好感度抜群でお気に入り度急上昇の代物である。
使用する諸条件を間違わなければ快適性と利便性は他に類を見ないキャリーシステムではなかろうか?
恐らくこのバックが気になる方は気に入る方向に傾き、気に入らないと感じる方はそもそも最初から気にならない代物では無いかとも察する。
とにかく、体の前面にチャラチャラと収納(装着)品が纏わり付かずスッキリした状態で釣りに没頭できる。
しかも、どの様な状況でも水筒を持ち出す事が習慣となっている私としては、非常に嬉しいボトルホルダーも装備されている。
確かにフライやティペットの交換時には逐一背後に回ったザックをフロントに回し込まないと行けないが、そこは同類のスリングバック(例えば私の場合はウィリアムジョセフさんのエキノックス)と比較すれば殆ど苦にならない範疇であろう・・やはりココは原型となっているアトムの利便性を継承していると思われる。
加えて成形されたフロントパネルが設けられており、この辺りもウィリアムジョセフさんのコンフルエンスやエキノックスに通じる所があってお気に入りのポイントとなっている。
但し、一つだけ難を上げれば右肩専用のスリングバックとなっているところ・・・これは原型のアトムを継承した事で已む得ない事情とも見受けるが、肩掛け方向を定めるならば私としてはウィリアムジョセフさんのエキノックス同様、左肩専用として頂きたかった。
これも使用する方の利き腕に大きく依存するやもしれないが、右利きの私はロッドハンドの肩に加重が掛かる為、少々気になるところである。
しかし、そもそもコイツを使用する条件としては・・・釣法を絞り、耐久性が長けた毛鉤を用いて、短区間を短時間で攻める事になる猛暑の渓流がメインとなる為、余り気になるものではない。
逆にティペットやフライを頻繁に交換しながらスローペースで釣り上がる状況では圧倒的にコンフルエンスに軍配が上がると言えよう・・・・ |