ホイットレーのアルミボックスを購入してウェットフライに手を染めると、瞬く間にアルミボックスが増え始め少々気合いを入れてウェットフライを持ち出そうものならフィッシングベストが鎧の様になってしまう・・・・
更に釣り自体がドライオンリーの時と比べれば幾分・ゆったり・おおらか・になるところもあり、休憩を決め込むとベストを脱いで護岸や倒木に座り込んでいた。
「やっぱり!!(あんな鞄がほしいなぁ~)」・・と言う想いに描かれるのは、どなたもがご存知の英国王室御用達を誇らしく掲げられるハーディーさんやバーブァーさんの釣り専用?ショルダーバッグである。
因に、私が特に気になっていたハーディーさんのトラウトフィッシャーバッグのお値段を調べてみると・・・(薄々想像していたが)やはりそれなりの価格であった。
これが誰が見ても釣り道具ならば特に問題もなかろうが、見方によっては釣りに使える鞄であり、家内や娘からすればバッグの域を脱さない。
こんなバッグを購入してその値が知れた途端・・・「ウチらにも買ぉ~てぇ~や!!」・・と言うブーイングが巻き起こるのは目に見えて居る。
やはり【釣り】から発する騒動の種蒔きは慎むのが平穏な日々を送れると察して、渋々諦めることとした。
・・で、手始めに子供が中学生時代に使用していた帆布製のショルダーバックを使用してみたところ、格好は別としてそれなりに使えると思えたが、防水性に難ありで断念し、已む無く購入したのがこのPurelist Bagである。
「やっぱしダイワさんはエエのん作りはるやん!・・これ見たら浪速の珍奇なおっさんが英国王室御用立達は無いわな!(笑)」
斯くして、それから愛用させて頂いているが、そこは我が国を代表する釣り具メーカーさんのお品であり特に不満は感じていない。
しかしながら、特にレトロに拘る質(タチ)でもなく、わざわざ古めかしいデザインの鞄を持ち出す事がアホらしく思えて来ると何時もの悪い癖が出る。
実際少々浮気をして他のバッグを試してみた事があり、その所感を以下に列挙してみよう・・・・
①あくまでも鞄であり、ベストやチェストバックに見受ける機能性の追求は逆に扱い難さを感じる。
②鞄だけに着目し、防水性を疎かにした物は使えない。
③防水性や軽量化に拘った新素材を採用した物は鞄として馴染めない装着感となる。
④古典的なショルダーバックから離れる程、チェストバックやベストに劣る部分が強調されるだけに思える。
結局、ショルダーバックとして帆布やシェルタークロス(テント地)で出来上がった古めかしいデザインの代物が好まれるのは、何もレトロ感をかもし出すファッション性だけではなく、既に機能的に確立された代物としての証であろう・・・やはりあくまでも釣り場に持ち出される【鞄】である事が一番重要と思い知らされた感がある。
この様な考えに行き着くと、いつかは英国王室御用達品との想いも涌くが・・・所詮、浪速の珍奇な庶民であるが故、何時になるかは解らない。 |